増加する火災保険詐欺~その修理、本当に保険金で出来るの?~

家の修理 大切なお知らせ

最近、老朽化した住宅の修理に「火災保険が使える」「ただで直せる」と言って、家主に保険金を請求させる修理業者が問題になっています。

災害に乗じて増える修理トラブル

近年、台風はもちろん大雨、大雪、風水害などによる自然災害が多く発生しています。こうした災害に乗じて、修理、リフォーム工事に関するトラブルもまた多数発生しています。

国民生活センター等への相談は毎年5000件以上。修理に保険金が使えると言って勧誘されたケースに関する相談は、2010年度から合計で1万件以上(2020年8月時点)です。

自然災害で被害を受けた人は、修理トラブルに遭う事で二重の被害に遭う事になってしまいます。

こうしたトラブルのうち、最近特に増えているのは、前述のように、実際には災害には遭っておらず、経年劣化で傷んだ家の修理に「火災保険が使える」とする勧誘です。

保険金を請求できるのは、自然災害を含む契約内容の範囲のみ

火災保険は、火災による被害だけを対象にしているわけではありません。保険金の支払い対象になるのは、契約内容によって違いますが、風災や水災、落雷、雪災、雹(ひょう)災などの自然災害が中心です。

基本的に経年劣化による傷み、破損は火災保険の対象になってはいません。

住宅は雨や風、雪等にさらされていますが、通常の天気の範囲であれば災害とはいいません。年数が経つと自然と塗装がはげたり、隙間が出来て雨が吹き込んだりすることもあります。

ところが問題の業者は、火災保険の契約内容を全く知らないにもかかわらず、「保険金が下りる」「ただで修理できる」と勧誘をしてきます。

保険金詐欺の可能性?

請求内容が虚偽であったり、実際の損害と一致しない場合は、保険金は支払われません。それで終われば金銭的な被害に遭わないような気しますが、それで終わらないケースが多数報告されています。

例えば悪質な業者の場合、保険金が認められる前に工事を進めてしまい、結局自費で支払わざるを得なくなったり、キャンセルするとキャンセル料を請求されるケースもあるようです。他にも保険金請求を代行するからと、高額な手数料を求められたケースもあります。

もっとこわいのは保険金請求が認められ、支払われた後で虚偽が発覚した時です。虚偽の請求で保険金をもらったことになると、請求した契約者に非がある事になります。「業者に指示された」と主張しても通りません。ひょっとすると保険金詐欺に該当するかもしれないのです。

住宅の修理は複数の見積もりをとって比較検討する

住宅の修理をする場合、「保険金で修理が出来る」「ただで修理可能」等と勧誘されても、簡単に契約をしないようにしましょう。保険金でと言い出した場合はさらに注意が必要です。もし詐欺だった場合、住宅の所有者が詐欺に加担することになりかねません。

また修理業者を選ぶ場合は、必ず複数の業者から見積もりをとって、工事内容や契約内容を比較検討してから契約しましょう。合い見積もりをとって、後で断ることがあっても問題ありません。

もし自然災害が原因だとしたら、契約している保険会社かその代理店に相談しましょう。保険金の請求をする場合は、業者に代行させることなく必ず本人が、事実に基づいて請求しましょう。分からない事がある場合は保険会社や保険代理店に相談してください。

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